「マイケル・マンリング ジャパンツアー2016」ライブレポート ※再掲載

2018年6月7日

artist


2016年の10月14日~16日にかけて、Michael Manringさんの来日ツアー「MICHAEL MANRING JAPAN TOUR 2016」が行われました。
今回はその東京公演の、セットリストも含めたレポートをお届けします。

彼のソロ演奏だけを存分に堪能できた90分間。久々の来日公演であり、しかも単独来日公演としては初ということで、ファン大満足のひと時だったことは言うまでもありません。

彼の三種の神器である、ハイパーベース2本とローリングカポ付きのヘッドレスベース1本がセッティングされ、ステージの上はまさにManringさんの独壇場。それらZon社製のベース3本が最大限に活用され、彼の名曲と即興の数々が披露されました。

彼のE-BOW(もともとはギターのサスティンを得るための演奏道具)テクニックがうなる演奏から公演はスタート。まるで地響きのような低音と、生命の息吹を思わせる高音の絶妙なブレンドにより、会場が一瞬にして彼の音世界へと変貌を遂げた瞬間でした。

メドレー形式で、『Monkey Businessman』や『Excuse Me, Mr. Manring』といった彼のオリジナル・アッパーチューンや、『悲愴』(Beethoven)、『Spirits in the Material World』(The Police)、『Born to Be Wild』(Steppenwolf)といった有名曲のアレンジが繰り出され、オーディエンスが沸き立ちます。でも、誰よりも熱かったのは、Manringさんご本人だったと言っても過言ではないでしょう! 座りながらの演奏から、時おり勢い余って立ち上がる彼の姿に、観客誰しもが興奮したことは間違いありません。

彼の代表曲とも言える、『The Enormous Room』や『Selene』、『Helios』といったレパートリーは、ご自身によるその説明の後に1曲ずつ披露されました。
バラードチックな『The Enormous Room』と『Selene』をじっくりと味わえたことにより、会場は瞬く間に、前述の心踊る盛り上がりとはまた違う、静かな高揚感に包まれることに。超絶的なテクニックが目の前で展開されていることを忘れてしまいそうになるほどの、至高の美しさを誇る2曲だと改めて感じました。
『Helios』では、Manringさんがこれまでになく大暴れ! 見事な緩急のつけ具合を駆使した、最高潮の演奏が響き渡りました。

また、今回のセットリストでは、新曲となる『Smile』(Charlie Chaplin)のアレンジも聴くことができました。エフェクター(ベースの音を変える演奏道具)から紡がれる摩訶不思議な残響音により、原曲のイメージを覆す彼の世界観を、居合わせた全員が体感することに。

そして、スタンディングオベーションが起こるなか、アンコールに突入。『Lean On Me』(Bill Withers)のアレンジが披露され、鳴りやまない、心からの拍手喝采で公演は幕を閉じました。

生で見る彼の超絶技巧はやはり圧巻でしたが、彼の音楽がそれだけではないということは言わずもがな。彼の「ベースの地位を向上させたい!」という思いとともに、思い描いた表現を真摯に追求し、ベースの可能性を切り開いた音楽なのだということが伝わってきます。それを上手く言い表した、彼の盟友であるMichael Hedgesさんの「I’m not trying to play the guitar. I’m trying to play music.(私はその楽器を演奏したいんじゃない。ただ音楽を奏でたいんだ)」という志を彼も共有していることこそ、彼の音楽に私たちが夢中になる所以なのでしょう。

一方で彼の公演は、彼がMC時に観客からの質問を受け付けてくれたり、演奏後にステージから降りてファンと交流してくれたり、さらには彼とファンとの食事会もあったりと、彼のストイックな音楽精神とは裏腹にアットホームな雰囲気でした。そんな気さくな人柄も、彼の音楽性の一端を担っているに違いありません。だからこそ、多くの人を楽しませる音楽を創造できるのだと思いました。

今回は自身だけでのパフォーマンスに集中したかったそうで、彼のライブの定番曲である『My Three Moons』の演奏はありませんでしたが、この次の来日公演では、私たちに彼のベースを支えることができるチャンスがあるかもしれません!?
次回の来日公演と、新作のレコーディングの発表が本当に待ち遠しい限りです。

今回のManringさんの来日にあたり、彼と、運営元のプリン放送さまが、拙記事を公演の告知に使用してくださいました。Manringさんの音楽の素晴らしさを広めるお手伝いが少しでもできたと思うと、冥利に尽きます。ありがとございました。

プロモーターであるプリン放送さまも、私たちと同じくManringさんの大ファンであり、彼の来日を熱望していたため、今回のジャパンツアーを実現させたとのこと。感謝しきれないそのご尽力はもちろん、Manringさんの音楽を国内で広めたいという思いにも、胸が熱くなります。

本記事をとおして、今回の素晴らしい公演内容をより多くの方々に知っていただけることが、Manringさんの次回の来日公演に繋がる一助となったら幸いです。